富山県出身の沙織さんと、マイアミ生まれの日系4世・ヒロヨシさんご夫妻。祖先の記録を辿る中で募らせた“熊本”への想いは、訪れた瞬間に「ここだ」という確信へ。国際的な視点を持つ二人が、熊本で育む新しい暮らしを語ってくれました。
- 横浜から熊本移住2年目
- 家族
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ムラサキ沙織さん(40代)・ムラサキヒロヨシさん(40代)
自営業

ルーツを辿る旅が熊本へと導いた
ー熊本に興味を持ったきっかけを教えてください。
【沙織さん】夫の家族には、何世代も前から九州、そして熊本にまでつながるルーツがあります。その話を聞いていたこともあり、訪れる前からこの地域への興味はありました。でも、実際に訪れてみて心を動かしたのは、家族の歴史そのものではなく、熊本の“今”でした。人のあたたかさや街の空気に、どこか懐かしさと心地よさを感じたんです。
国際的な環境で育った夫が「ここは自然に馴染めそうだ」と言ったとき、私も同じ空気を感じていて、「ここなら暮らせる」という感覚が自然に重なりました。
ーお二人の出会いについて教えてください。
【沙織さん】出会った当時、私は地元でフリーアナウンサーをしていて、夫は国際教育プログラムの一環で来日し、小学校や中学校で英語を教えていました。2016年からは大人向けの英語教育やビジネス英語に力を入れて活動しています。
私たちは国際交流イベントで何度か顔を合わせるうちに、自然と話すようになり、笑い合える関係になっていきました。数ヶ月会わないこともありましたが、少しずつ友情が深まり、そこからゆっくりと関係が育っていきました。そして今に至っています。
移住の決め手は、熊本の人たちの温かさ
ー熊本に移住する決め手は何でしたか?
【沙織さん】最初に九州移住の話が出たとき、私は家族との距離や生活の便利さが気になっていました。でも改めて熊本を訪れたとき、都市としての利便性と落ち着いた街の雰囲気の両方があることに驚きました。思っていた以上に暮らしやすく、“都会すぎず、田舎すぎず”という心地よいバランスを感じました。
【ヒロヨシさん】僕にとって熊本は、暮らしやすさと可能性のバランスが絶妙でした。文化も自然も食も魅力的で、九州の中でも特にフィットする場所だと感じました。
ー 熊本での暮らしはどう変わりましたか?
【沙織さん】熊本に来てから、生活の“速度”がちょうどよくなりました。毎日は充実しているのに、無理なく過ごせます。都市の利便性を享受しつつ、必要なときには自然とペースを落とせる余裕があるんです。そのおかげで、子どもとの時間も、日々の小さな瞬間も、以前より深く感じられるようになりました。
【ヒロヨシさん】そのバランスが日々の活力になります。生活と長期的な目標、この両方を無理なく共存させられる場所だと実感しています。
熊本での新しい挑戦と、街の可能性
ーこれから熊本でどんな暮らしをしていきたいですか?
【沙織さん】熊本では、子どもたちが自分のペースで成長し、私たち自身も家族として大切なものを育てていける暮らしを思い描いています。落ち着きがありながら、現代的な心地よさもある――そんな環境の中で、仕事も学びも自然に広がっていけば嬉しいです。そして、地域の方々とも少しずつ、自然な形でつながっていけたらと思っています。
【ヒロヨシさん】今の熊本を尊重しながら、私たちができる仕事を通して、地域に貢献できればと思っています。異文化理解を支えたり、国際的な視点を橋渡ししたり――大げさではなく、丁寧に地域と関わりながら根を深めていきたいです。
ー 移住を考えている方へ、メッセージをお願いします。
【沙織さん】熊本は、自分のペースで馴染める街です。現代的な便利さがありながら、落ち着いたリズムがあって暮らしやすい。まずは一度来て、歩いて、空気を感じてみてください。きっとすぐに“合うかどうか”が分かると思います。
【ヒロヨシさん】生活のバランスや、考えるゆとりを大切にしたい方には、想像以上に合う場所だと思います。









