熊本から、東京・海外へ。故郷でビジネスを創造した兄弟

熊本市九品寺にお洒落なホテルが誕生したのは2018年7月のこと。この『RESTERS BED&CO.』を営むのは、モリモトブラザーズのお2人(兄のダイスケさん・弟のコウヘイさん)。東京やアメリカの大学へ進学、様々な場所で就職をし熊本市へUターン。熊本市へ帰ってきてホテルの経営に踏み切った理由とは?

  • ①ジャカルタから移住3年目 ②東京から移住10年目
  • ①妻 ②妻、子供3人

INDEX

①モリモトダイスケさん(44才) ②モリモトコウヘイさん(42才)

①RESTERS BED&CO.代表 ②会社経営

景色が変わった

自分の故郷にこんなチャンスがあるなんて、帰ってくるまで気づかなかった

ー こちらのホテル、本当に洗練されていてお洒落でかっこいいですね!オープン当時は、ものすごく話題になった事を覚えています。

【コウヘイさん】ありがとうございます。この建物は30年前に建てられた老舗ビジネスホテルだったんですが、熊本地震の直後に取得したんです。当時ジャカルタにいた兄に帰ってきてもらい、プロジェクトチームを作って大規模なリノベーションを行いました。準備はとても大変でしたが、オープン後は新聞・テレビ・ラジオ等に取り上げられたり、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされたりと…少しメディアデビューしましたかね(笑)。


ー ダイスケさんはジャカルタにいらっしゃったんですね。お2人の熊本に帰って来られるまでの経緯を教えて下さい。

【ダイスケさん】僕は熊本県立第二高等学校から東京の多摩美術大学に進学。卒業後は、アートのバックグラウンドを活かし、インドネシア・ジャカルタでデザイン会社に就職。 アートディレクションの他、ホテルサービスの開発や人材育成、新規レストランの企画運営など幅広い業務を経験することになりました。 大学卒業後、熊本に戻るまで15年海外暮らしになりました。

【コウヘイさん】僕は東京の大学で法律を学んでいましたが、一度は海外で学んでみたいという気持ちから、渡米。帰国後は東京に戻り大きな企業でサラリーマンになりましたが、半年で燃え尽きリタイアしました。この時全くサラリーマンに向いてないことが判明しましたね(笑)。会社勤めが苦手となると、自分で何かしないといけないわけですが、「やりたい仕事」を見極めるのはなかなかそう簡単ではありません。もう一度、大学院に戻り司法試験にチャレンジしたりしましたが、やりたいからといってやれるとは限らないことに気が付きました(笑)。手ごたえを感じられる仕事が見つからないまま東京で過ごしていましたね。そこでいったん熊本に帰って頭を冷やして仕切り直そうと思いました。


ー お2人とも海外での様々な経験があるんですね。コウヘイさんは熊本に戻られて、ホテル経営に至るまでに何があったんでしょうか?

【コウヘイさん】熊本に帰って法律事務所に勤務していたころ、当時お付き合いしていた今の奥さんが東京からIターンで熊本に来てくれたことも大きいですね。
生活のため自分にできることは何なのかを考えざるを得なくなりました。「やりたい仕事は何か」なんて言ってる場合じゃなくなったんです(笑)。そこで法律の知識を活かして不動産会社を設立しましたが、これからというときに熊本地震が起きました。
会社に大きな被害はなかった一方、もし大きな損害を受けていたら倒産していたかもしれないと思いました。仕事は一本だけでなく、ほかにもチャレンジできるものはないか、と。
地震のショックはありましたが、そこから復興に向けて熊本の街が動き出しているパワーを感じたんです。人が集まって立ち上がろうとしている中で、何かを始めるチャンスだと思いました。県内外から復興工事に関わる方々の需要だけでなく、一時的に減った観光客もきっと戻ってくるはずだと。宿泊業やホテル経営に可能性を感じたんです。

【ダイスケさん】熊本地震直後、突然弟から「一緒にホテルを経営しないか」と提案がありました。この話を聞いたとき、自分のこれまでの経験からホテルのイメージやコンセプトが自然と湧いてきましたし、ホテルを始めることに違和感はありませんでした。
相談できる友人達がたくさん頭に浮かんできたことも僕らの背中を押してくれた一つの要因ですね。東京の美術大学の友人たちがそれぞれの分野で活躍していて…例えば、数々の有名ホテルを手掛けたインテリアデザイナーや一級建築士・グラフィックデザイナーなどです。

【コウヘイさん】僕の方にもホテル経営に精通している大学時代の友人がいたり、不動産の仕事の中で知り合ったリノベーションのプロ集団にも気軽に相談できたり。仲間たちに声をかけるとすぐにプロジェクトチームができたんです。映画の「アベンジャーズ」みたいなメンバーです(笑)。

大好きなこの場所で創造するモノゴト

ー 完成した『RESTERS BED&CO.』。ギャラリーのようなロビー、カフェのようなホール。それに眠る事にとことん特化された部屋は「ここ、本当にビジネスホテル? 」と思ってしまうほどです。オープンから1年弱経ちますが、皆さんの反応はいかがでしょう?

【ダイスケさん】おかげさまで思っていた以上に、たくさんの方々に利用していただいています。中でも外国の方がとても多いですね。街なかへのアクセスが良くて、閑静な九品寺というエリアは休息するのに最適な場所だと思います。 大事にした事は「ちゃんと休めること」「タオルが気持ちいい」「清潔さ」。5~6千円で泊まれるけど、ベッドやタオルは高級ホテルと同じレベルにしました。テレビを設置していないのも「ちゃんと休めること」に特化したからです。

【コウヘイさん】自分たちが思う心地よい空間や、熊本の好きなところをお客様と共有できるのは、ホテル経営をしていて楽しいことの一つですね。


ー お2人が国内・国外で触れて学んだ事がこれからも活かされそうで、とても楽しみです!

【ダイスケさん】僕らのバックグラウンドは熊本の他、東京や海外にもあると感じています。これまでに出会った仲間達と、これからも何か楽しいこと、新しいことを形にできればと考えています。

【コウヘイさん】
場所は熊本でも東京でも海外でも、限定せず自由に。動き出せば次の現実があり、それを自分で解決できなくても相談できる人はたくさんでてきますしね。


ー それはとても楽しみですね。これから熊本市へ移住を考えている人に伝えたい事はありますか?

【ダイスケさん】今や仕事は大都市に固執する必要はないかなと思います。熊本は都会と自然、海と山などのバランスが絶妙ですよね。「熊本でバランスよく暮らすのもいいんじゃない?」と、これを読んでいる方に伝えたいですね。自分にとって住みよい場所に住むのが一番大事で、僕にとってはそれが熊本だったんだと思います。温泉もあるし、本当におすすめですよ!

 【コウヘイさん】住む場所を変える際、仕事はどうだろうという不安もあると思います。だけど、自分が学んだことや経験したこと、出会った人たちに助けられながら、熊本でもきっと自分にあう仕事・自分にできる仕事がみつかると思います。東京や海外でいろんな経験をした上で、熊本に定住している人もたくさん知っています。なので「あなたのような人はたくさんいるよ」「まずは来てみて」と、声をかけたいですね。

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