暮らしの速度を変える。出水界隈から広がる、自転車のある日常

「やっぱり自転車がいいなって。きっかけは、それくらいの温度感でした」

そう語るのは「出水界隈(いずみかいわい)」代表の益見英典さん。悪化する交通渋滞や環境問題に目を向ける中で、自転車という選択肢に可能性を見出し自転車を通じた課題解決によって地域の繋がりを促す取り組みをしています。


車で行っていた場所に自転車で行ってみる。ただそれだけの行動が、環境への意識を変え、人と地域をゆるやかにつないでいきます

暮らしの速度を変える。出水界隈から広がる、自転車のある日常

「去年の春のことでした。熊本市の渋滞が、以前よりもひどくなっていると感じるようになったんです。たまに車に乗ると、必ず渋滞に巻き込まれるんですよね。渋滞のこと、環境のことを考えるとやっぱり自転車がいいなって、自然と思うようになって」

そう話してくれたのは、出水界隈で自転車を軸にした活動を続けている益見さん。日々の中で感じた小さな違和感が、いまの活動のきっかけになりました。

自転車に乗るきっかけをつくる

もともと周りに自転車好きが多くて。もっと日常的に自転車に乗る人が増えたらいいなみんなが気軽に自転車に乗るきっかけをつくれたらいいなと思ったんです

そうして生まれたのが、サイクリングをしながら江津湖の周りにある店舗を巡るスタンプラリーです。去年の3月ごろから、周りの飲食店や自転車屋の知人に声をかけ始めました。


渋滞や環境問題に対して、自分たちにできることを少しずつ実践しながら活動を続けています。最初は主催の6店舗からスタートしましたが、いまでは30店舗以上が参加しています。参加方法もシンプルで、店舗情報を共有するだけ。気軽に関われる仕組みが、自然と輪を広げていきました。

「やらされている感じがないのがいいんですよね」

そう話す言葉の通り、活動全体に流れているのは、どこか軽やかな空気です。

生活の中にある、自転車という選択

益見さん自身も、日常のほとんどを自転車で移動しています。自転車にハマったのは、小学5年生の頃。初めて買ってもらったマウンテンバイクをきっかけに、その後もBMXやピストバイクなど、さまざまな自転車を趣味として経験してきました。
けれど、いまの感覚は少し違います。


「趣味というより生活の一部ですね。歩くより楽だし、渋滞もない。環境にもやさしい。それに、自転車に乗っている人同士って、すぐ仲良くなれるんですよ」

自転車から始まる会話。それだけでつながりが生まれるのも、自転車ならではの魅力かもしれません。

街の見え方が、少し変わる

もうひとつ印象的だったのは「景色の見え方が変わる」という話でした。車では通り過ぎてしまう風景も、自転車や徒歩だと立ち止まって感じることができます。光の入り方や、道端の小さな変化、人の気配。移動の速度がゆるやかになることで、見えるものが増えていきます。

「普段通っている道でも、新しい発見があるんですよね」


出水界隈の活動は、そんな体験を共有する場でもあります。現在は、通年でスタンプラリーを行いながら、時折ポップアップイベントも開催しています。これからは、実際に一緒に走るライドイベントや、BMXの体験など、より体感できる取り組みも増やしていく予定だそうです。

「自分の住んでいる町をもっと住みやすくするために、自転車に乗っているという感覚があります」

大きなことを変えようとするのではなく、まずは自分たちの暮らしを少し変えてみる。その積み重ねが、街の風景をゆっくりと変えていきます

自転車に乗ること。それは単なる移動手段ではなく、効率や速さを優先してきた暮らしの速度を見直し、街や人との関係を結び直すきっかけなのかもしれません。


地域ごとに、小さなイベントや集まりが自然に生まれているのも、熊本市のよさです。移住してきた人も、気負わず参加できる場があり、顔を合わせるうちに少しずつ関係が育っていきます。同じ趣味や関心をきっかけに、ゆるやかにつながれるコミュニティがあることは、新しい土地で暮らす不安を、いつのまにか和らげてくれます。移住をきっかけに、新しいコミュニティに飛び込んでみるのはいかがですか?

出水界隈

詳しい活動については、instagramをご覧ください。
https://www.instagram.com/izumikaiwai_kmmt/

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