熊本で出会う、という選択。

「婚活って、“出会いの場”さえあればうまくいくと思われがちなんです。でも実際は、会えた後につまずく人が多いんです」

そう話すのは、熊本市と近隣市町村が共同で運営する「くまもと出会いサポートセンター Kumarry(クマリー)」のセンター長・山部かよさん。

これまで累計約8,000人の相談に向き合ってきた山部さんは、婚活を「会うための仕組み」と「関係を進めるための伴走」に分けて考えています。

熊本で出会う、という選択。

クマリーが大切にしているのは、「どう出会うか」よりも、「どう関係を育てていくか」という視点です。活動の基本は、1対1のお見合い。スタッフが相手を決めて紹介するのではなく、会員自身がオンライン上でプロフィールを確認し、申し込み、双方の合意があって初めて会う仕組みです。「出会うこと自体は、いまはマッチングアプリでもできます。でも結婚につながりにくいのは、“その先”が難しいからだと思うんです」

クマリーが力を入れているのは、まさにその“先”。

本人確認を行ったうえで、安心して活動できる土台を整え、交際が始まるまでの壁を、ひとつずつ越えていくサポートを行っています。

つまずきには、だいたい“順番”がある

山部さんのもとに寄せられる相談には、共通する流れがあります。お見合いが成立しない、会えても1回で終わる、連絡が続かず次につながらない、同じ失敗を繰り返してしまう、など。「最初はプロフィールを整えるだけで前に進める人も多いです。でも、会えた後は“会話のマナー”や“距離感”でつまずく人が少なくありません。悪気がないからこそ、本人が気づきにくいことがネックです」

叱らない。でも、現実はきちんと伝える

たとえば、お礼を伝えるタイミングや、次に誘うまでの間隔など、案外戸惑う人も多いそう。「3日以内にお礼を」「1週間以内に次の打診を」といった具体的な目安を示し、行動に落とし込みます。山部さんのスタイルは、一貫しています。叱らない。人格否定はしない。ただ、「そのままだと難しい」という現実は、誠実に伝える。

「必要な失敗は止めません。でも、同じところで足踏みし続けると、婚期そのものを逃してしまう。だから、早く動いて、早く気づいて、次へ行く。そのための伴走をするのが私たちの役割です」

また、熊本という土地柄は、人との距離が近い。つまり、移住者でも婚活に挑戦しやすい街なのです。山部さん自身も移住者。出身は三重県で、東京で長く働いた経験もあります。

「熊本は、程よく都会で、程よく田舎。人と人の距離が近く、都心ではなかなかない踏み込んだ優しさがあります」

人口規模のある熊本市は、プライバシーも保ちやすく、移住をきっかけに人間関係をリセットし、新しい一歩を踏み出す人もいます。

“相棒”を見つける、という考え方

山部さん自身も、結婚までに遠回りをしてきました。20歳から婚活を始め、結婚できたのは32歳。婚約破棄を経験したことも。

「結婚したら自動的に幸せになると思っていました。でも実際は、結婚してからがスタート。昔の刑事ドラマで、張り込み中の相棒にあんぱんと牛乳を手渡したり、銃撃戦で負傷した相棒を支えて歩くシーンがあるでしょ?泥くさい処を一緒にやる、 あれが、いい結婚の形だと思うんです」

役割分担し、すり合わせ、苦楽を共にするからチームになっていく。山部さんが考える「いい結婚」とは、自分らしくいられる最大の味方を手に入れることだといいます。

実際の婚活イベントは、どんな雰囲気?

クマリーでは、多種多様な婚活イベントを月1回程度実施。今回は、びぷれす熊日会館のクッキングスタジオで開催された料理教室を取材しました。テーマは、「妊活」に効く食材を使ったメニュー。講話の後、参加者はグループに分かれて調理をスタートします。率先して動く人、場を和ませる人、さりげなく支える人。料理を通して、その人柄が自然とにじみ出ていくのが印象的でした。

「思ったよりカジュアルで、料理だけでも楽しい」と話す熊本市在住の30代女性。「手を動かしていると、あまり緊張しませんでした」と語る宇城市から参加した30代男性。この日の参加者は、男性10名、女性12名。7組のカップルが誕生しました。ただし、すぐに交際が始まるわけではありません。まずは「仮交際」から、友だちのような関係を育てていきます。「緊張しすぎない場をつくることも、婚活の大事な土台なんです」その言葉どおり、ここには頑張りすぎなくていい出会いがありました。

くまもと出会いサポートセンター Kumarry

〒860-0802

熊本県熊本市中央区中央街6-7 東洋銀座ビル4F

℡ 096-326-3378

営 11:00~19:00

休 火曜、水曜、年末年始

Instagram @kumamoto.kumarry

※マッチング会員の入会登録料は、本事業を共同で実施する市町村(熊本市、宇土市、宇城市、合志市、美里町、高森町、西原村、南阿蘇村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、山都町)に居住する方は、10,000円/2年間。それ以外の地域の方は、20,000円/2年間で、サービスの利用が可能。

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