【熊本市観光ガイドコラボ記事】熊本市電 電停ぶらり旅 B1:上熊本編

こちらは、熊本市観光ガイドコラムにおいて2021年10月13日に掲載されたものです。
熊本市観光ガイドでは、その他にも熊本の見どころスポット等を紹介しています。

ご乗車いただき、誠にありがとうございます。

今回から出発いたします、不定期連載「熊本市電 電停ぶらり旅」。どこから乗って、どこで降りても、1回の乗車で170円。線路でつながってさえいれば、170円(小学生は90円)でどこへでも行ける便利な乗り物、それが熊本市民から愛されている、熊本市電。

今回降り立った電停は、B系統の始発終着電停であり、市電の車庫もあるB1「上熊本」です。

電停、「上熊本」は歴史が古いかと思いきや、意外や意外。熊本市電の電停の中でも、比較的新しい時代にできた電停(といえども、昭和10年に上熊本まで延びたということ!)なのです。

新しい電停なのに、この歴史を感じる佇まい。昭和、というよりも、明治、大正時代の風格さえ感じるこの電停。それもそのはず、この電停「上熊本」の上屋は、平成18年にJR九州の上熊本駅の駅舎を移築したもの。

JR九州の上熊本駅の歴史は古く、明治24年に「池田停車場」という駅名で設置されたのがはじまり。九州新幹線の開通と在来線高架化の計画のために移築された駅舎は大正初期に建てられたものだそう。

観光ガイド内でもスポットとして紹介しているので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

https://kumamoto-guide.jp/spots/detail/71

ちなみに、現在のJR上熊本駅は高架化され、こんなしゃれた感じの駅舎になっています。お買い物スポットもあるし、スイーツのお店もあるし。

そういえば。遠い、遠い、遠い、、、(遠い目)ずいぶんむかしのこと。

小学生の頃に社会見学の授業で、この上熊本駅に行った記憶があります。その頃は、現在のような色ではなかったものの、学校の先生から「大正時代の駅舎だよ」と教えてもらったような、もらわなかったような。

とにかく、地元の人にとってはとても愛着の深い駅舎だったことには違いありません。残したい、という熱い思いが、この令和の時代につながっている、と思うとなんだか胸がじーんとなります。

熊本とゆかりの深い作家である夏目漱石も、最初に赴任した時(明治34年のこと)、この上熊本駅(当時は池田停車場)に降り立ったといわれています。

漱石が最初に出会った熊本の風景。

当時は熊本市電もなかったわけですし、上熊本駅の周辺もその頃からは、ずいぶん時間が経って様相はがらりと変わっているとは思いますが、あの夏目漱石が最初に見た熊本が、この「上熊本」の風景なのです。

うん、感慨深いっ! 

…というわけで、電停ぶらり旅「上熊本」のテーマは、夏目漱石。上熊本駅を降り立った夏目漱石が、最初に出会った熊本をたどっていきたいと思います。

上熊本駅を背にした上熊本駅前の風景です。

赤信号の先に見える、ゆるやかな(そう見える)坂道が夏目漱石が赴任先の五高(現在の熊本大学です)に向かった道だといわれています。

おそらくお迎えの車(人力車)が駅で待っていて、その人力車に乗りこんだ漱石が、この坂を登っていったんでしょうね。

漱石が人力車で通った坂を、徒歩で歩きます。「漱石の道」と名付けられている坂です。

写真では、ゆるやかな坂に見えますが、実は、地味にきつい坂道です。

歩いて2、3分ですでに、「このコラムの取材を秋にすればよかった」と激しい後悔の念が襲ってきます。

ちなみに、駅からスタートして2、3分のところにあるもんじゃ焼きのお店「文重庵」。

熊本でもんじゃ焼き? と思われるかもしれませんがかなり長くこの場所で商売されている老舗です。(おいしいです!)

 さて、序盤で心折れそうな坂道ですが、歩みを進めます。自転車でも体力に自信がある方にはおすすめしますが、せめて電動自転車で優雅に登りたい坂道です。

九州森林管理局!

…と、10分弱歩いて、緑のオアシス的なところにあったのは、

お! 漱石記念緑道。

ちょっとテンションがあがってきました。息もあがってきましたが(笑)

この緑道あたりが上り坂の最終ポイントあたり。これから下り坂になります。

上熊本から続く「漱石の道」を歩いてたどりつくこのあたりは、京町という町で、熊本城からほど近く、江戸時代は武家屋敷が並んでいた地域でもあります。

京町はとにかく坂が多い。

このように大きな通りから、小さな坂がいくつもあります。とても風情のある坂があるので、お時間があるときは、寄り道しながら歩くことをおすすめします。(涼しい時期に、是非!)

さて、下りまーす!

そして今回のぶらり旅の目的地としていたのが、坂の途中から見える、この景色。

坂を登り切って、さらに下っていくところに眼下に広がる熊本の住宅地。はじめて漱石が熊本に降り立った日、人力車から見たこの景色。

ここで「絶景、美観」と驚いた様子が、九州日日新聞(現在の熊本日日新聞)に漱石の言葉で述べられているといいます。

 明治期とはずいぶん様相は変わったとは思いますが、近くには人々の暮らす住宅地、そして遠くにうす紫の山の影。

電停「上熊本」からゆっくり歩いて20、30分程度。映えるスポットは、あまりないかもしれませんが、しみじみと、町の暮らしや、歴史の風を感じる上熊本界隈です。

■電停上熊本界隈でおすすめのスポット!

それは、かれこれン十年前から大好きなお店「TAKE5(テイクファイブ)」です。ピンク色の建物が目印で、電停上熊本から道を渡ってすぐのところにあります。

テイクファイブ、といえば、カレー!今回は、オーソドックスなビーフカレーをいただきました。

チーズをかけて焼き上げるベイクドカレーや、注文すると厨房から「パンパン」と音がする手ごねのハンバーグカレーと、お気に入りが数多くあります。

 

もちろん、締めはブレンド。

どんなに暑くて、バテそうでも、ホットを頼んでしまう。だじゃれじゃありませんが、ほんとホッとできる香りと味わいです。

TAKE5(テイクファイブ)
住所:熊本市西区上熊本1-10-33
問い合わせ先:096-325-6863
営業時間:11:30〜22:00※日曜は21:00まで
休み:木曜

引用元

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