こどもと過ごす時間
が変わった

子育てを通して好きになっていく熊本

熊本出身の旦那さんとの出会いで熊本へ移住した桑本さん。
当初、神奈川県川崎市で結婚生活を送っていましたが、熊本での子育ては、予想以上に幸せに満ち溢れたものだったようです。

部屋でお話をする女性

家を守るための決断。 住んで感じた熊本の良さ

ー 川崎市での生活から、急遽熊本への移住。どのようなことがきっかけで熊本へいらしたのですか?また、不安はありませんでしたか?

私が熊本に来たのは、次男が1歳の時です。熊本出身の主人と結婚して7年間は、神奈川県川崎市で暮らしていましたが、ある時、熊本市に住まう主人の祖母が亡くなったのをきっかけに、空き家になった祖母宅に移ることを決めました。以前から少しずつ熊本市へのUターンを考えていた主人は、父を早くに亡くしていたこともあって、自分が家を守ろうという思いも持っていたようです。そんな出来事をきっかけに、主人はUターンを、私はIターンを決意しました。

私自身は北陸生まれで、親が転勤族だったこともあり、移住に対してすごく不安…、ということはありませんでした。また、中学・高校時代を過ごした福井県福井市が熊本市と姉妹都市だったこともあり、熊本市の中学校からきた「熊本のイメージはどうですか?」というアンケートに回答したこともありました(笑)。

ー そうだったんですね!その頃から熊本に呼ばれていたのかもしれませんね(笑)。

はい。ただ、すごく居心地の良かった川崎での暮らしを離れて、知らない土地に行くわけですから、相当な覚悟はありました。長男のママ友の世界がすでに出来上がっていましたし、両親は東京で定年を迎えて近くにいたこともあり、困った時は手を借りる事が出来る。長男はたくさんの大人の手によって育ってきていたので、それが無くなる不安もありました。

暮らしやすく、楽しく育児が出来る場所を離れるのは、怖かったですね。

ー たしかに。熊本にはいらっしゃった事はあったんでしょうか?

主人の帰省で毎年熊本に来てはいましたが、実際に暮らす、となると様子がまったく想像できませんでした。でも実際に住んでみると、日々の暮らしの中にある熊本の美しさと、その身近さを感じるようになりました。

ー 熊本の美しさ。私もよく感じますが、桑本さんはどのような所に美しさや身近さを感じられましたか?

以前から熊本市にあるいろんな観光地を見て回っていましたが、その時は若かったこともあって、「素敵な場所だけど今後は来ないかな?」なんて考えたりしていたんです(笑)。でも、熊本に住んでいる人は、水前寺公園でお花見やお月見を楽しんだり、子供たちも二の丸公園で木登りをするなど、生活の中で訪れる機会がたくさんあります。

歴史と文化の香り漂う観光地には、私たち市民の生活の匂いもあって、とても身近な存在だなと感じました。

トランプで遊ぶ親子

季節感のある子育てを。 こどもと大人で過ごす豊かな時間

ー 実際に移住されてからは、どのような生活をされていたんでしょうか?

移住した頃は今ほどSNSが普及していなかったので、市政だよりやフリーペーパーを見て、いろんな場所へ行っていました。都会に比べて選択肢が多くないので、チョイスしやすいんですよね。

川崎市にいた頃はベビーカーを押して電車を乗り継いで施設やテーマパークへお金を払って行くということも多かったのですが、熊本市ではワークショップやマルシェなど、気軽にすぐ参加できる催しが多くて、すごく楽しめています。

ー 桑本さんが熊本に移住された時はすでに2児のママですよね。さすがに都会のような電車移動は、考えただけでもしんどそうです…。

川崎では交通機関はとても充実していたんですけど、路線が混在していたので、子供を連れて乗り継ぎながらの移動は大変でしたね。よくやってたなぁ!と思いますよ。

また、土日に仕事で主人が家にいない事が多くなり、母子で楽しめるような状態を作りたいなと思っていた時に探し当てたのが『熊本市こども劇場』です。こどもたちが小さい頃から音楽や絵や舞台など、芸術が身近にあることに慣れていたら、大きくなった時に生活が豊かになるんじゃないかという思いもありました。

活動としては舞台鑑賞がメインですが、芸術的なものだけじゃなくて、焚き火、七夕、お月見、餅つき、そうめん流し、蛍を見に行くなど、都会ではなかなか出来ないことばかり! 季節感のある子育てをしたいと思っていたので、今まで自分が両親にやってもらってたことを、自分のこども達にしてあげる事が出来る喜びを感じました。

ー 季節感のある子育て。素敵な響きですね! さぞ息子さんたちは楽しんでるんでしょうね。

こどもはもちろんですが、こども劇場での時間は私にとっても新鮮で、むしろ私の方が楽しんじゃってるかもしれません(笑)。

また、友人の紹介で『熊本いのちと土を考える会』という生活協同組合にも入りました。そこでは、熊本の農家さんが無農薬で育てたお野菜が定期的に届くシステムがあり、季節の新鮮で安心な食材を食べさせてあげれることは大きな喜びです。

こども達が今後、大きくなって熊本を離れた時に、「熊本のご飯は美味しかったな」と思えるようなごはんを食べさせてあげたいですね。

住宅街をバックに佇む女性

熊本にいる安心感と楽しさ。 これからもここで生きていく

ー 桑本さんのお話を伺っていると、これから熊本市に移住されるママにとっては、とても心強い言葉ばかりだと思います。

具体的に言うと、子育て支援についてはひまわりカード(こども医療費受給)、地域医療センターなどの救急医療も子育ての中で大きな助けとなっています。幼稚園の保育料や入園料も、川崎市時代より安いと思います。なので、心配されているママもいると思いますが「子育てしやすいよ」「安心してね」って伝えたいですね。

むしろ、熊本地震をきっかけに、皆さんの心や気持ちがだいぶんほぐれている事をここ2、3年感じているんですよ。

ー 分かります。どこかみんなが、他人に対して声をかけることが多くなったり、優しくなったりしているような雰囲気がありますよね。

都会は人が多くて、1人のこどもにたくさんの大人が関わって育てているような印象だけど、ここ熊本では「こどもの中でこどもが育つ」ような事が出来るんじゃないかな。怖がらずまずは来てみたらいいと思います。

情報も多すぎず迷わないし、行きたいところに行ける。全部に手が届きやすいというのは熊本が持つ魅力なんだと思います。

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お名前:桑本さん
取材時の年齢:41才
ご職業:薬剤師
移住歴:9年目
家族構成:夫、長男(中3)、次男(小4)、三男(小1)
移住前の居住地:神奈川県川崎市

※記載の情報は、すべて取材時のものです。