日常の充実感が
変わった

移住後に出産・子育てを経験。プライベートの音楽活動も全力で。

山梨の大学を卒業後、就職を機に熊本市へ移住した日下さん。図書館や博物館の移動棚を製造する金剛株式会社に勤めるかたわら、プライベートでは熊本の市民吹奏楽団で演奏活動も行っています。移住から結婚・出産を経て現在にいたるまでの過程や、お仕事の内容、熊本市での暮らしについて詳しく聞きました。

「図書館に関わる仕事がしたい」という思いから、書架を扱うメーカーへ

—日下さんは就職を機に熊本市に移住されたと伺いました。経緯について詳しく教えてください

出身は栃木県ですが、高校卒業後は山梨県都留市の大学に進学し一人暮らしをしていました。大学では英文学や現代アメリカ演劇を学んでいたんですが、もともと図書館が好きで、将来は司書など図書館に関わる仕事がしたいと思っていたんです。そんななか、大学の先生の紹介で図書館業界のメーカーが集まる見本市「図書館総合展」に見学に行く機会があって。そこで、いま勤めている金剛株式会社のことを知りました。

金剛株式会社は1947年に熊本市で創業したオフィス・文化施設関連設備の製造販売を行うメーカー。図書館や博物館で使われる移動棚が主力製品で、特許も取得している独自性のあるモノづくりを行っています。そうした他社にはないオリジナリティに当時魅力を感じたのを覚えていますね。その後、新卒採用に応募し内定をいただきました。2016年4月に入社をしてから半年間の研修を経て、熊本本社での勤務が決まりました。

—熊本への移住が決まって、特に抵抗はなかったですか

もともと、大学で一人暮らしは経験していたので、熊本に移住するとなったときも特に困ったことはなかったですね。路面電車が走る熊本の街を見たときは、見慣れていない光景に感動した思い出があります(笑)。

チーム全体で産休・育休をサポート。細やかな配慮が安心につながった

—金剛株式会社ではどのような仕事をされていますか?

入社後2年くらいは経理部で働いていたのですが、異動があって今は営業企画チームに所属しています。私含め3名のスタッフが所属する少数精鋭チームで、当社製品をより多くの皆さまに知っていただけるよう、製品のチラシを作成したり、顧客に見せる提案書を作成したり、資本金や利益などの企業情報をまとめたIR資料等を作成したりしています。

—仕事をするなかで大変なことはありますか?

やっぱり営業の経験がある方のほうが、営業担当者が求めていることがわかりやすいという強みがありますね。私はそうした経験がないので、営業のコツや機微を汲み取るのに少し苦労しました。今も難しいなと思うことは多いのですが、チームの先輩社員からアドバイスをもらったり、現場からの意見を取り入れたりしながら最適な資料の作成を心掛けています。営業の方から「あの資料が役立ったよ」と声をかけてもらうと嬉しいですね。

そうした反響があるとモチベーションアップにもつながりそうですね。職場内の雰囲気はいかがでしょうか?

営業企画チーム含め、職場内の雰囲気は和やかでアットホーム。長年勤めている上司から若手社員まで、年齢層が幅広いので人間関係のバランスがとてもいいなとも感じていますね。近い年齢の方で集まってお休みの日に交流会もしたりしています。

私は5年前に社内の方と結婚して、その後子どもを出産したのですが、産前産後休暇や育児休暇を取得するなかで周りの方からいろいろなサポートをいただきました。産休に入る前には、私含めチーム全員と人事部のスタッフが集まって、休暇制度の詳細や業務の引継ぎの進め方について話し合うミーティングの場を用意してくれたんです。そうした細やかな配慮のおかげで、安心して出産に臨むことができたと感じています。

金剛株式会社製の移動棚

地元の人との交流が広がった、市民吹奏楽団での活動

—お休みの日は、どのように過ごされていますか?

プライベートでは熊本の市民吹奏楽団に所属してアルトサックスを演奏しています。楽器はもともと学生の頃から部活やサークルで続けてきていたので、熊本に移住したときも仕事に余裕が出てきたら始めたいと思っていたんです。ちょうど同期に同じように吹奏楽経験者の方がいて、2人で地元の楽団に見学にいったりしながら、今の楽団への所属を決めました。

メンバーは熊本の方が多いのですが、皆さんとても寛容的で、他県から来た人であっても誰でも受けて入れてくれるようないい雰囲気がありますね。

楽団の練習は、定期演奏会やコンクール前だと週に2,3回あるので結構ハード。大変ですが充実していると感じています。定期演奏会に職場の方を誘ったところ、皆さんわざわざ足を運んでくれて。一度取締役の方がいらっしゃったこともありますよ(笑)。

日下さんご提供写真

熊本市での暮らしについて気に入っている点を教えてください。

一番は「食べ物がおいしい」ということですね。特に果物が充実していて、特産のスイカやミカンのほか、個人的には柿がお気に入りです。また、熊本県立劇場熊本城ホールなど、音楽的な催しものができるホールがいくつもあったり、熊本県立図書館くまもと森都心プラザ図書館など図書館も充実したりしているので、文化的な趣味がある人は暮らしていて結構楽しめるんじゃないかなと思います。2024年の春には県立図書館のとなりにこども図書館ができるので、ぜひ子どもと一緒に行ってみたいと思っています。

また、夫婦2人とも両親が他県にいるので、ファミリーサポートセンターなどの子育てサービスはしっかり利用させてもらっています。民間のベビーシッターの会社もいくつかあるので、とても助かっていますね。

最後に、熊本市への移住をお考えの方にメッセージをお願いします

「地元を出て、違う風景を見てみたいけれど、どこがいいかわからない」と悩む方に、私は熊本市をおすすめします。仕事を選ぶ面でも、熊本市は大企業から中小企業まで多くの魅力的な選択肢があると思いますね。熊本市は「ほどよい都会」といった感じで、首都圏のような窮屈感もなく、少し足を延ばせば阿蘇や人吉・球磨といった美しい自然を楽しめるのが魅力です。一度熊本市の色々な場所を巡って雰囲気を感じてみてもらえれば、きっと好きになると思いますよ。

お名前:日下有紀さん
取材時の年齢:30代
ご職業:金剛株式会社勤務
移住歴:8年目
移住前の居住地:栃木→山梨