コロナ禍での東京暮らしから、変化を求めて熊本へ。
勤め先の熊本オフィス新設に伴い、東京から熊本市への移住を決意した板垣さん。その背景には、「閉塞的なコロナ禍での東京暮らし」からの変化を望む思いがあったといいます。移住を決めてから現在にいたるまでの過程や、熊本オフィスでのお仕事の内容、熊本市での暮らしの魅力について詳しく聞きました。
生活や仕事の変化を求めて、熊本オフィスのスタッフに
—板垣さんは勤め先である株式会社ワークスアプリケーションズの熊本オフィス新設とあわせて、熊本に移住されたと伺いました。当時の経緯について詳しく教えてください。
2017年4月に新卒で当社に入社し、しばらくは東京にある本社に通っていました。そんななか、入社から3年が経った2020年の夏に上司から熊本オフィス新規開設にともなうスタッフ募集の話を聞いたんです。熊本はまったく訪れた経験がなく、正直「熊本城がある、のどかな地方都市」というイメージしかなかったのですが、移住の話は当時の私にとって魅力的に感じました。
というのも、2020年はちょうど新型コロナウイルス感染症が流行しはじめた年。当社は世間的にも早めの3月頃からテレワークに移行していて、当時は私も半年間在宅勤務を経験していたんです。東京の1Kの自宅で、ほとんど缶詰め状態で仕事をこなす日々……。世間の風潮は必要最低限しか外出してはいけないような感じだったので、とても閉塞感があったのを覚えています。そうした日々のなかで新しい生活や暮らしの変化を求めていたので、熊本オフィスの話を聞いたときは「これで生活がきっとガラッと変わる!」と期待が膨らみました。それに加えて、仕事の面でも新しいことに挑戦できるということに前向きな気持ちがありましたね。
—知らない土地に移住することに不安はなかったですか?
特になかったですね。私自身、どんどん新しいことに挑戦したいと思う性格ですし、実のところ、当時は「移住してみて嫌だったらすぐに東京に帰ってこよう」くらいの気軽な気持ちでした(笑)。
移住するときは、不動産会社や、先に移住していた社員の方にアドバイスをもらいながら物件を決めました。今は、熊本オフィスから徒歩圏内のマンションを借りて暮らしています。熊本は家賃相場が安いので、東京で暮らしていたときと同じ金額で、部屋面積が倍くらいの物件を借りられています。今も週のほとんどはテレワークなのですが、部屋が開放的なので悠々とストレスなく仕事や生活ができています。
IT業界未経験の新入社員をサポート。研修講師として熊本で活躍
—株式会社ワークスアプリケーションズでの仕事内容を教えてください。
当社は、企業の経営をサポートするERPパッケージソフトウェアの開発・販売を主な事業として行っています。私は、入社後半年間の研修を経て、こうした自社ソフトウェアの開発部門に勤めていたのですが、半年ぐらいして、顧客支援を行うカスタマーサポート部門に異動となりました。現在、熊本オフィスでは、現地採用したスタッフに対する研修の講師を担当しています。
当社では、IT人材育成のための突破型の研修(ステップアップ型研修制度)を行っています。主にIT業界未経験のスタッフに対して、基礎、応用、発展と段階的に3つのステージに分けて、約半年間の研修を実施しています。実践的なスキルというよりは、仕事をするうえで根幹となる「問題解決能力」を鍛えるための研修です。IT業界未経験の方に対しても広く扉が開かれている、当社ならではの制度だと思っています。
—講師をするうえで大変なことはありますか?
先ほどお伝えした通り、当社に入社されるのはIT業界未経験の方が多く、経験してきたお仕事もバラバラです。研修のなかで壁に直面したときに悩まれる方も多いですが、そうしたときに「どうやって前向きな言葉がけをするのか」ということは日々考えながら取り組んでいますね。みなさん、職歴も年齢も異なるので「ほかの人と比較するのではなく、以前はできなかったことができるようになった自分自身を見てほしい」ということはよくアドバイスしています。
—熊本オフィスをはじめ職場の雰囲気について教えてください。
熊本オフィスで勤務するスタッフは、カスタマーサポートをはじめ、開発・
私が所属する顧客支援チームは、「みんなで助け合う」というチーム意識が強いですね。週の4日はテレワークでの勤務ですが、オンライン会議を頻繁に行ってリアルタイムに相談をできる環境が整えられています。また、当社の有給休暇消化率は94.8%と高く「有給休暇をとりやすい環境」ということも魅力だと思います。
小さな変化が積み重なって「熊本って暮らしやすいな」という実感に
—東京から移住して3年が経ちましたが、熊本での暮らしはいかがですか?
食べ物や水のおいしさを日々実感しています。 きっといろんな方がおっしゃっていると思うんですけど(笑)。スーパーで売っている野菜や魚介の鮮度・味もいいですし、飲食店はどこに入っても大体おいしいと感じますね。関東圏の製品と比べて、熊本は醤油や味噌が甘いんです。移住した当初は驚きましたが、今では逆にクセになって好んでスーパーで買っています(笑)。
熊本市は政令指定都市ですが首都圏と比べて「人が多すぎない」 のが逆にいいなと思っています。行列ができる人気店でも、東京みたいに「入店まで30分~1時間待ち」みたいなことはありません。また、東京だと街ゆく人みなさん速足なのですが、熊本の方はみなさん歩くペースがゆっくり。エスカレーターで追い越していく人も少ないですし、落ち着いた生活ができていいなと感じています。
平日の移動手段も東京の頃の満員電車から、徒歩や自転車がメインになりました。また都内で運転することは考えられなかったんですが、熊本ではカーシェアに登録してたまに休日のドライブを楽しんでいます。そうした小さな変化がいろいろと積み重なって「熊本って住みやすいな」という感覚につながっていますね。
—お休みの日はどこにお出かけされていますか?
熊本県内のいろいろなところに遊びに行っていますね。自分で車を運転してみたり、たまに同僚や上司に「連れて行ってください」とお願いしてみたりしながら、熊本観光を楽しんでいます。阿蘇の白川水源はいつ行っても心が洗われますし、最近は山都町にある国宝の通潤橋を見に行って放水の迫力に感動しました。
—最後に、熊本市への移住をお考えの方にメッセージをお願いします。
いろんなことが目まぐるしいスピードで変わっていく現代。そのなかで、「生活を変えずに安定して暮らしたい」と思う人と、反対に「新しい暮らしに挑戦してみたい」と思う人の両方がいらっしゃると思いますが、たぶん正解はないと思うんですよね。ただ一つ言えることは、もし少しでも「新しい暮らしに挑戦してみたい」「移住してみたい」という考えがよぎるのであれば、ぜひ勇気をもって一歩を踏み出していただきたいなと思います。熊本は特に、来てみるといいところがたくさんあるので、きっとみなさんに「移住してよかった」と思ってもらえるんじゃないかなと思いますね。
お名前:板垣茉優さん
取材時の年齢:30代
ご職業:株式会社ワークスアプリケーションズ勤務
移住歴:3年目
移住前の居住地:千葉→東京
※記載の情報は、すべて取材時のものです。