生活の自由度が
変わった

人柄も、住み心地も、遊びもちょうどいい街

大学入学を機に、故郷を離れ熊本市に移住した井元さん。学生時代の経験や就職を通して、周囲の温かい人柄や熊本の街の住みやすさに魅力を感じているといいます。移住のきっかけやプロセス、熊本市での暮らしについて詳しく聞きました。

熊本ではじめての一人暮らし。心細さを感じることも

井元さんは大学進学を機に熊本にいらっしゃったとお聞きしました

はい、そうです。私は長崎県平戸市の離島出身で、中学校までは島内の学校に通っていて、高校は毎日船で島外の学校に登校していました。大学は、両親のすすめもあって県内の学校を探していたのですが、高校3年生の時の担任の先生から「今の学力だったら、熊本大学はどうかな?」という提案があって。興味のある学科もあったので、受験しました。

故郷の平戸市を離れて、はじめての一人暮らし。苦労したことはありましたか?

まったく知らない土地での一人暮らしなのでもちろん心細さはありましたね。でも、自転車を買っていろんなところに移動できるようになると、刺激や楽しみが増えて次第に解消されていったように思います。

また、当時在籍していた学科は1クラス30人ぐらいだったのですが、そのうち半数は私のように県外からの受験生だったので、友だちを作るハードルも低かったと思います。大学に限らず、熊本は九州の中心ということもあり、他県からいらっしゃっている方も多い印象ですね。

大学卒業後はどこで就職をしようと考えていましたか?

地元で就職することも考えてはみたのですが、学校関係や看護師の募集はあるものの、いわゆるサラリーマンとしての仕事の選択肢が本当に少なくて…。比較的大きな街である長崎市や佐世保市で就職するにしてもあまり土地になじみがないので、それだったら住み慣れた熊本市がいいな、という思いがあって熊本市での就職を決めました。

福岡で働くことも検討したのですが、都会すぎるというのが理由で選択肢から外しました。「街は栄えているけど都会すぎなくて、自然もあって、ほどよくゆるさがある」そんな熊本市がちょうどいいなと思ったんです。

社長と先輩社員の人柄に惹かれ、入社を決意

現在、熊本市内のソフトウエアビジョン株式会社(以下、ソフトウエアビジョン)に勤められていますが、就職活動はどのように進めましたか?

今勤めているソフトウエアビジョンは企業向けのシステム構築や運用を行っている会社なのですが、もともと、IT系の企業を第一に志望していたわけではなく、興味のある熊本の企業を幅広く受けていました。そんな中、ソフトウエアビジョンでのインターンを通して感じた社内の印象がとても良くて、まずそこに惹かれましたね。コロナ禍ということもあり、オンライン形式でのインターンだったのですが、画面越しに交流させていただいた社員の皆さんの雰囲気がとても良かったんです。

また、実際に面接を受ける中で社長ともお会いしたのですが、誰とでも分け隔てなく接してくれるような、大らかな人柄も印象的でした。会社の制度面では、熊本県が実施している奨学金返還等支援制度(くま活サポート)に加入している点も魅力的でしたね。

右:福山代表取締役社長

IT系の企業というと、専門的なスキルが必要な印象がありますが、実際に働いてみていかがですか?

大学の授業の中で少しだけプログラミングを学んだことはあったのですが、ほとんど知識がない状態での入社でした。現在、入社して2年目になりますが、入社後の研修や上司からのOJTなどでしっかりとサポートしていただいています。会社の資格取得支援制度を利用して、いくつかの専門的な資格を取ることもできました。

社内の雰囲気は、インターンの時に受けた印象そのままですね。現在、社員が123人いるのですが、全社イベントの新人歓迎会、方針説明会、忘年会には、ほとんどの社員が積極的に参加しています。

プラチナくるみん」認定も受けていて、子育てをしながら働いている社員もいます。とても、個人個人を大事にしてくれている会社だと感じています。

田舎から都会に出ようと思っている人にもおすすめできる街

大学入学から熊本に移住して今年で6年目だと思いますが、改めて、熊本市での暮らしについて気に入っている点を教えてください。

落ちついて生活ができる居住区と、遊んだり買い物ができる繫華街がとても近い場所にあることですね。それに加えて、車を使って少し足を延ばせば、阿蘇や天草など雄大な自然やアクティビティを楽しめる場所があるということも魅力です。

井元さんはお休みの日はよく阿蘇までドライブされるんだとか。

一眼レフカメラで風景を撮影するのが好きで、よく友だちと一緒に大観峰や草千里ヶ浜に行ったりしています。写真を撮ったり、ただぼーっとしながら風を感じてみたり…。離島の出身で、広大な山や草原が広がっている景色はほとんど見たことがなかったのでなおさら感動するのかもしれません。ほかにも、熊本には温泉地がたくさんあるので、植木温泉や黒川温泉にも行きました。車を走らせればこういった観光地もあるし、車がなくても、自転車や公共交通機関で手軽に買い物・遊びに行ける場所がある。本当に熊本に来て生活の自由度が上がったなと感じています。

井元さんご提供写真

熊本に来て感じたことがもうひとつあるのですが、人(他人)との距離感が近すぎず遠すぎず「ちょうどいい」ということです。私の地元は良い面もたくさんあるのですが、他人との距離感が近すぎて窮屈に感じる場面もあったなと思っていて。熊本の皆さんは、干渉しすぎず、ちょうどいい距離感で気にかけてくださる方が多いなと実感しています。

ちょうどいい距離感を実感した場面はありますか?

大学でアカペラサークルに入っていたのですが、当時、大学のそばにある子飼商店街で定期的にストリートライブを開催していました。商店街の方々と事前に話し合ってライブの内容を決めるのですが、その際、ほとんど学生主体で進めさせていただいたんです。学生の私たちを信用してくださり、程よい距離感で見守ってくださっていた商店街の皆さんとの時間は、温かくて心地よかった思い出があります。

ありがとうございます。最後に、熊本市への移住をお考えの方にメッセージをお願いします。

移住というと、東京や大阪などの都会から田舎へ…というイメージが強いかもしれませんが、私のように田舎から都会に出ようと思っている方も多いと思うんです。そういう方におすすめしたいのが熊本市です。田舎から突然都会に出ようとすると、ギャップが大きくて結構疲れると思うんです。熊本市の場合、市内中心部は栄えているけど、身近に豊かな自然があって、住む場所も静か。本当にちょうどいい場所だと感じています。私のような方に、ぜひ熊本市への移住を検討してみて欲しいです。

お名前:井元さん
取材時の年齢:20代
ご職業:エンジニア
移住歴:6年目
移住前の居住地:長崎

※記載の情報は、すべて取材時のものです。